#3 ニューラルマーケティング株式会社
「現場から上場グループ主要企業のトップへ」生え抜き社長の誕生が、200名の社員にとって"これ以上ない希望"になる理由。

石垣 義則
ニューラルマーケティング株式会社 代表取締役社長
20年前、創業オーナーである上田社長(当時)からの熱烈なアプローチにより同社に入社した石垣氏。現場の叩き上げとして東京支店の立ち上げや技術部門の責任者を歴任し、長年会社を支えてきました。M&A発表当時は「既存の仲間や組織の体制が守られるのか」と強い不安を抱いていたものの、グループ参画後は現場のリーダーとして組織の融和に奔走。3年間の地盤固めを経て、今年、満を持して生え抜き社員として代表取締役社長に就任しました。20年間現場を見てきたからこそ分かる自社の強みと、グループシナジーを活かした今後の展望について伺いました。
入社の決め手となった上田社長(当時)との出会い
私はニューラルマーケティング(旧 株式会社ネットテン)に参画する前は、東京で自らホームページ制作の会社を経営していました。当時はホームページの黎明期だったので、自分で営業し、制作して納品するという泥臭い動きをしていました。
そんなある日、お世話になった方の紹介で何気なく大阪へ足を運んだのですが、そこで待っていたのが創業オーナーである当時の上田社長でした。出会ったその日に、「うちにいつ来るんや」と数時間にわたり非常に熱いオファーを受けたことを昨日のことのように覚えています。
当時は自分で会社をやっているためお断りするつもりだったのですが、社長から「個人で動かせる資金には限界がある。うちの会社が持つリソースを使って、もっと面白いシステムや企画を形にした方が絶対に楽しい。環境はすべてこちらで用意するから」と言われ、その圧倒的な器の大きさと熱意に惹かれ、参画を決めました。
当時のニューラルマーケティングは、凄まじい営業力を持つ一方で、それを支える技術側の責任者が不足している状態でした。そこで私は、自身が培ってきたホームページ制作の知識と技術を活かし、まずは技術部門の統括を任されることとなったのです。その後、1年半ほど経った28歳の頃に「東京支店を立ち上げてくれ」と任され、関東へ戻り組織のベースを作りました。実はその立ち上げ期には、社長のご子息である上田さん(現 専務)もアルバイトとして一時的に在籍していて、当時から20年来の長い信頼関係が続いています。

「得意を補完し合う」二人三脚の経営スタイル
私自身のビジネスの考え方に大きな影響を与えたのは、20代の頃に出会った二人の経営者です。一人は学生時代に仕えた、非常にロジカルでシステム化に長けた経営者。もう一人が、圧倒的な人間味と人情で人を惹きつける上田社長でした。
上田社長は本当に魅力的なリーダーで、営業組織を牽引する天才的なカリスマ性を持ちながら、「俺はパソコンはできん。そこは得意なお前がフォローしてくれ」と、苦手なことを率直に開示して仲間を頼ってくれる人でした。完璧を演じない人だからこそ、周囲は「自分がこの人を、会社を支えたい」と自然と突き動かされました。
ですから、私と社長との役割分担は明確でした。私がロジック、技術を徹底的に固め、社長がカルチャーを作り、圧倒的な営業力で引っ張る。このお互いの強みを掛け合わせる絶妙なバランスは、M&Aを経て体制が変わった今でも変わらず、現在は上田専務と共にしっかりと引き継いでいます。
自分の弱みも開示しながら適材適所で仲間を頼るという上田社長の経営姿勢を近くで見られたことは、私の人生において本当に大きな財産であり、お世話になった創業家と共にこの会社をさらに良くしていきたいという、強い思いにつながっています。

M&Aへの不安から、「全員の雇用を守る」ニューラルへの信頼へ
上田社長から初めてM&Aの決断を聞かされた時、私は誰よりも強く反対しました。というのも、大手企業に会社を買収された経験のある身内がおり、数年のうちに既存のメンバーや組織がバラバラに解体されていくという冷徹な現実を聞いていたからです。そのため、私の中でM&Aには「既存の組織や仲間が置き去りにされてしまうもの」という非常に強い警戒心がありました。長年現場を共にしてきたメンバーの雇用や体制を守りたいという責任感から、最初は容易に受け入れられないという気持ちが強かったですね。だからこそ、実際にニューラルグループの経営陣と面談をした際、最初にかけられた言葉は今でも忘れられません。
「石垣さん、現場の社員は誰一人として辞めさせないでほしい。全員で一緒に成長していこう」と言われたのです。
正直に言えば、最初は「本当にそこまで現場を大切にしてくれるのだろうか」と半信半疑な部分もありました。実際にグループインした1年目は、上場グループならではの厳格な数値管理やカルチャーの違いに対して、現場から戸惑いの声があがることも少なくありませんでした。
そのなかで、私は現場を預かる身として、ニューラルが目指す長期的なビジョンを現場の言葉に噛み砕いて、根気強く伝え続けました。自社の強みをグループのなかでどう活かせるかを模索しながら、まずは自分が率先して「まっすぐ前を向いて進む」背中を見せるしかないと思っていたからです。
そうして無我夢中で走るなかで、ニューラルが最初の言葉通り、本当に私たちの雇用と組織を最初からずっと守り続けてくれていることに気がつきました。1年、また1年と重ねるうちに、かつて抱いていたM&Aへの警戒心は消え、お互いの個性を尊重し合うニューラルグループの経営方針が本物であると確信できるようになりました。

圧倒的な販売力、ブルーオーシャンを狙う独自の事業戦略
ここで、私たちが展開している事業の強みについてもお話しさせてください。ニューラルマーケティングの最大の武器は、何と言っても圧倒的な「販売力」です。15年以上もの間、激変する市場のなかで私たちが生き残り、成長し続けられた理由はここにあります。
LEDビジョン事業は、海外工場との直接連携や大規模な施工技術、およびそれを売り切る営業力が必要なため、他社が簡単には真似できない独自の領域です。また、マンションサイネージ事業は、広告媒体としてのサイネージを高価格帯の分譲マンションに特化して展開し、富裕層に直接届くメディアという極めてニッチなブルーオーシャン市場をターゲットにしています。
私たちは一貫して「競合他社がひしめく市場には参入しない」という隙間産業戦略を徹底しています。常に新しい新規事業に挑戦し、その中から大きなヒットを生み出す攻めの姿勢を崩していません。
この独自の事業戦略が、ニューラルグループに入ったことでさらに爆発的な進化を遂げました。これまではアプローチが難しかった大手法人マーケットに対して、上場グループの信用力を背景に、自信を持って営業のアクセルを踏めるようになったのは非常に大きな変化です。また、最近ではポマト・プロやカクタス、魔法といった仲間が増えたことで、私たちが以前から構想していたLEDのレンタル事業への参入も一気に加速しています。
こうして他社には真似できない独自の技術を持つ企業がグループに集まり、お互いに手を取り合える環境があるからこそ、生まれるシナジーがたくさんあります。今後も、ニューラルマーケティングが得意とする販売力と、グループ各社の技術をがっちりと掛け合わせることで、私たちがビジョンとして見据える、もっと大きな「デジタルが溶け込む街」を創り上げていきたいです。

生え抜き社長の誕生。「頑張ればトップになれる」という社員への証明
そして今年、ニューラルからの経営サポートによって組織の仕組み化が完成したベストなタイミングで、社長を打診されました。最初は「またニューラルから新しい代表が来るのだろう」と思っていたので、この打診には本当に驚きましたし、同時に「これほど現場を信頼し、プロセスを重視してくれるグループなんだ」と深い感銘を受けました。
一般的にグループイン後は、親会社からの出向者がトップに座るものだと思っていました。しかし、ニューラルはそれをしなかった。私のような20年間現場で愚直にやってきた、生え抜きの人間を上場グループ主要子会社の社長に抜擢してくれたのです。
この事実は、今当社で働いている200名以上の社員、あるいはこれからグループに参画する企業の方々にとって、これ以上ない大きな「希望」になったと確信しています。「この会社で実績を積み、組織に貢献すれば、誰だってトップを目指せるんだ」という最高のモチベーションを示せました。
ニューラルグループは、求められるレベルは非常に高くプロフェッショナルですが、そこさえクリアして慣れてしまえば、これほど「現場に裁量を渡し、好きに挑戦させてくれる組織」は他にはないと思います。
トップダウンではなく、各グループ会社が独自の強みを持ち寄り、パートナーとして連携していく。それがこのグループの本当の魅力です。信頼できる仲間と共に、まだ見ぬ新しい未来へのアクセルを一緒に踏み込みましょう。