#2 株式会社ポマト・プロ
「利他の心」というカルチャーを軸に。最先端AIテクノロジーと手を取り合い、人々に驚きと感動を届ける。

飯島 髙尚
株式会社ポマト・プロ 代表取締役社長
1983年の創業以来、ラジオ番組制作から大手企業の大型イベント、新商品発表会まで数多く手掛けてきた株式会社ポマト・プロ。今年で創業44年目を迎え、安定経営を続ける同社が、なぜ今グループインを選んだのか。参画して3ヶ月。現場のリアルな変化や、最先端AI技術とのシナジーに対するこれからの展望について、代表の飯島社長に伺いました。
ラジオ番組制作から40年。圧倒的な制作クオリティへのこだわり
当社は1983年、ラジオ番組の制作会社としてスタートしました。私ともう一人の共同経営者である山田の2人で立ち上げたのですが、私は放送局の現場で生放送などの番組制作を、山田はCM制作の現場を担っていまして、そこで培ったタイムキープや構成のノウハウをイベントに活かせるのではないかと考えたのが立ち上がりの経緯です。
ちょうど1980年代後半はバブル経済の華やかな時期で、筑波万博(1985年)をはじめ、晴海から幕張メッセ(1989年)へと大型展示場が次々と誕生し、企業がPRやプロモーションにイベントを積極的に取り入れるようになり、日本のイベント業界が大きく発展した時期でした。イベントに対するニーズが一気に高まる中、当時はまだ専門の制作会社が非常に少なかったため、私たちはまさにパイオニアのようなポジションで、広告代理店さんやクライアント様などから数多くの展示会や新商品発表会、全国キャラバンなどを受注していきました。
そこから40年もの間、業界の第一線で走り続けられた理由は、私たちの「クオリティに対するこだわり」にあります。私たちはもともと放送局の現場出身ですから、クオリティに対する基準を非常に厳しく叩き込まれていました。企画書や提案書はもちろん、マニュアルや構成表、台本など、すべて自分たちで書きます。
当時のイベント業界ではそこまで徹底している会社は少なかったのですが、私たちにとってはそれがプロとしての「存在意義」であり、当たり前にクリアすべき基準でした。会社全体としても「まずはクオリティありき」。クライアントのニーズをただ形にするだけでなく、私たちの持つ暗黙知のレベルやプロとしてのクオリティを必ずクリアした上で、期待以上のものを提供する。この姿勢が、長年信頼をいただいてきた当社の最大の強みです。

5回のオファーと半年間の勉強会を経て決断した「未来への投資」
経営も安定していた中で、今回グループインという選択肢を考え始めたきっかけは「事業承継」でした。いつまでも私たちが現場にいられるわけではないので、50周年に向けて次の世代にどう会社を繋いでいくかを考えていたんです。当初は社内のプロデューサーの中から次の社長を選んでバトンタッチする社内承継を漠然と考えていました。
そんな時に、ニューラルの山本さんからお声掛けをいただきました。ただ、正直にお話しすると、最初は強い拒絶反応がありました。「自分たちでまだやれる」という自負もありましたし、M&Aというとネガティブな印象がどうしても先行してしまって。実は、トータルで4回もお断りしているんです。
変化のきっかけは、銀行さんにご協力いただいて、社内で半年ほどかけて行った事業承継の勉強会でした。社内承継をした場合の持ち株会社の仕組みや株の扱いなど、知識がついてくるにつれて、プロデューサー陣も含めて「M&Aも未来への一つの有効な選択肢なんだ」とフラットに理解できるようになっていきました。そして山本さんから5回目のオファーをいただいた時、改めて熱意あるプレゼンテーションを受け、「まずは一度、デューデリジェンス(資産査定)に進んでみようか」と舵を切りました。
最終的な決め手は、「5年後、10年後の未来」への危機感とワクワク感です。長年お世話になってきたソニー様がものづくりからエンタメ企業へと大きくシフトしたように、時代の変化、そしてAIの進化スピードは凄まじいものがあります。「会社をただ存続させる」だけなら、今のままでも十分可能でしたが、今までのやり方に固執していては、10年後に輝き続けられない。グループの持つ最先端のAIテクノロジーと、私たちのイベントノウハウを融合させる新しいチャレンジに、未来の可能性を強く感じたのです。
上場ルールへの戸惑いと、すでに始まった「惑星型ネットワーク」のシナジー
グループインして3ヶ月。正直なところ、スタッフはまだ上場グループとしてのルールや決算スピードに合わせる変化の真っ只中で、戸惑いもある時期だと思います。これまでオーナー会社として自分たちのペースで経理や業務を進めてきましたが、上場企業のグループに入ると、そのルールや会計決算のテンポに合わせなければなりません。変化を嫌がるのは人間の本能ですから戸惑いは当然ですが、「これは会社が次のステージへ進むために必要な変化なんだ」とスタッフには丁寧に伝えています。
一方で、グループ企業同士のシナジーは、すでに現場で生々しく動き出しています。今、先端技術やクリエイティブに関する新しい取り組みがスタートしていますが、グループ内のスペシャリストたちと共同でプロジェクトチームを作る動きが始まっています。最先端のAIエンジニアという、いわば「メジャーリーガー」のようなスペシャリストたちと一緒にクリエイティブな仕事ができるのは、私たちのスタッフにとっても非常に幸せで、面白い経験になるはずです。
また、他のグループ企業との横の繋がりも大きな刺激になっています。例えば、同じグループであるカクタスさんの「高い利益率をキープする経営ノウハウ」には非常に興味がありますし、学びたい。さらに、グループ内のLED事業と連携して、私たちのイベント制作で使うLEDを共同で提案するような実務的な連携も、すでに動き出しています。ここにアミューズメントのソフト制作ノウハウなどが乗れば、さらに面白いことができる。
ニューラルグループは、従来のピラミッド型の組織ではなく、中心となるホールディングスを軸に、各社が宇宙の惑星のように独立して機能しながら横で繋がっていく、そんな「ネットワーク型の企業体」だと感じています。AIという中核技術に、各社のハード・制作・ソフトが連携することで、これまでにない新しいエンターテインメントや表現の可能性を世の中に提案していけると確信しています。

「利他の心」を軸に、最先端テクノロジーと共に新しいエンタメを創る
M&Aを検討する多くの経営者の方が一番不安に思うのは、グループインした後の「自社のカルチャーや独自の強みがどう扱われるか」という点ではないでしょうか。
ポマト・プロには「ものづくりが好きな人間」が集まっています。上場企業としての健全な経営基盤を整えつつ、私たちが40年間培ってきたクリエイティブへの情熱をいかに高いレベルで維持し、さらに開花させていくか。そこについてはグループの経営陣とも深く対話を重ねており、お互いに価値観を共有しながら、ものづくりに100%集中できる環境を一緒に作っていける手応えを強く感じています。
私たちの根底にあるのは、「人を大切にし、利他の心を持つ」というカルチャーです。どれだけAIの時代になっても、イベントの本質は「人の顔を見て、その心に届く驚きや感動、相手の望むこと以上の圧倒的な成果を提供すること」に変わりありません。クオリティへのこだわりはブレずに、グループの持つ最先端のAI技術という心強い武器を活かして、お客様からの多様なリクエストにいつでも応えられる選択肢を、これから増やしていければと思っています。
目指すのは、単に売上規模を大きくすることだけではなく、クオリティが高いものづくりの会社として、世界に誇れるコンテンツをこのグループから一緒に生み出していくことです。そのためにも、まずは現場でしっかりと実績と信頼関係を築き、グループの連携をさらに強固なものにしていきたいと考えています。
常に新しい刺激を受け入れ、チャレンジしていく精神こそが、これからの時代を生き抜く武器になります。これから新しくグループに加わる仲間たちとも、お互いの強みをリスペクトし合いながら、新しいエンターテインメントを一緒に作っていけることを心から楽しみにしています。
